海苔にタネを付ける(採苗)
 海水温が下がる9月半ば頃から10月上旬になると、成長した糸状体は分裂し“殻胞子(かくほうし)”を放出します。この殻胞子が海苔のタネにあたります。
 この殻胞子を網に付けるのが“タネ付け(採苗:さいびょう)”です。
 糸状体の熟し状態を顕微鏡で確認しながら、胞子の殻胞子(タネ)を厚くもなく薄くもなく網に付ける作業は、海苔作りの第1の難関といえます。
 このタネ付けには、陸上採苗と海上採苗の2種類があります。

■陸上採苗
 陸上採苗は、9月中旬から始まります。大きな水槽にかき殻糸状体を入れて、その上の水車に網を張り回転させてタネ付けることから“水車採苗”とも呼ばれています。タネを付けた網は、漁場の水温が適温(約23度以下)になるまで冷蔵庫で保存されます。理論的には夏場でもタネ付けが可能です。
 

陸上採苗 顕微鏡で確認
(写真1)
大きな水車をぐるぐる回しながらタネを付けます。赤い糸が海苔網です。
(写真2 )
網糸を切ってタネが付いたかどうか、顕微鏡で確認します。
■海上採苗
 熟した糸状体の付いたカキ殻1〜2個を入れた“落下傘(らっかさん)”と呼ばれるビニール袋に入れて、30〜35枚重ねた網の下に吊します。
台風や長雨、残暑など自然的条件に大きく左右されやすく、水温と胞子の放出のタイミングをうまくあわせることが、その年の海苔の良し悪しを大きく左右する鍵となります。
 
カキ殻糸状体を落下傘に入れる (写真3 )
カキ殻糸状体は乾くと死んでしまうので、大勢の人で乾かないうちに素早く落下傘に入れ、海苔網に付けていきます。
海苔網の大きさは長さ18m×幅1.5m。
網を張る 蛍光顕微鏡写真
(写真4 )
落下傘に吊るした網を一斉に漁場に張り込みます。朝日が当たる頃、カキ殻から胞子が出て網に付着します。
網の間に白く見えるのがカキ殻糸状体を入れた落下傘の袋です。
(写真5)
網に付着した海苔のタネを顕微鏡で見たところ。光って見えるのが海苔のタネ。(蛍光顕微鏡写真)
前へ 次へ
ウィンドウを閉じる

 

Copyright (C) 2003 Nori-japan. All Rights Reserved.